
- Facebook広告の運用成果を向上させたい
- Facebook広告の運用を失敗したくない
このどちらかに該当した方に向けて、Facebook広告で一つ上の運用成果をめざすための手法を中心に、運用の基礎を紹介します。
※本記事のスクリーンショットや公式ヘルプページ情報は、2017年10月末時点のものです。
1.Facebook広告とは
本題に入る前に、簡単にFacebook広告の概要を、おさらいしていきましょう。
もし、おさらいが不要であれば、「2.Facebook広告で一つ上の成果をめざす5つの手法」へ進んでもらって構いません。
1-1.表示される場所
Facebook広告が表示される場所は、以下の5か所です。
大きく分けて、Facebook、Instagram、Messenger、オーディエンスネットワーク(Facebookが提携しているアドネットワーク)の4種類となっています。
(1)Facebook内のデスクトップニュースフィード
(2)Facebook内のデスクトップ右側広告枠
(3)Facebook内のモバイルニュースフィード
(4)Instagram
(5)Messenger
(6)オーディエンスネットワーク
1-2.Facebook広告の特徴
Facebook広告の特徴を2点、簡単に紹介します。
高いターゲティング精度
まず1点目の特徴は、高いターゲティング精度です。
Facebookは原則、実名登録のSNSです。
性別・生年月日以外にも、ユーザーの興味・関心やライフイベント等を基にした正確かつ多様なターゲティング配信ができます。
株式会社 カンター・ジャパンによる調査では、ターゲティング精度は90%後半という驚くべき精度の高さとなっています。
出典・引用:株式会社 カンター・ジャパン
https://kantar.jp/whatsnew/final_FB%20knowledge%20share%207.pdf
多彩な広告フォーマット(広告の形式)
2点目の特徴は、多彩な広告フォーマットです。
以下は一例で、年々、新しいフォーマットが登場しているので、今後も増えていくでしょう。
・写真(画像)とテキストの組み合わせ
・動画
・複数の写真をスライドショー形式で表示する
・1つの広告枠内で最大10点の写真・画像を表示できる形式
・広告をタップすると画面いっぱいに拡大表示される
Facebook広告を運用する目的と、ユーザーに伝えたいメッセージに合わせて、広告フォーマットを選びましょう。
なお、それぞれの広告フォーマットと仕様は、Facebook広告ガイドに詳しく掲載されています。
2.Facebook広告で一つ上の成果をめざす5つの手法
それでは、運用成果を上げるための手法を、紹介していきます。
2-1.広告セット間でターゲット層は重複させない
運用成果を上げるための手法1つ目は、広告セット間でターゲット層は重複させないことです。
これは、Facebookでは、ユーザーに対して短期間に同じ広告主の広告を過剰表示しない仕組みになっており、広告表示の損失につながってしまうためです。
重複をチェックする方法
ターゲット層が重複しているか否かは、オーディエンス重複チェックツールで確認できます。
ツールの使用手順も紹介します。
※ビジネスマネージャ内では、ターゲティングやターゲット層ではなく、「オーディエンス」と表記されているため、ここでの表記は「オーディエンス」に統一します。
まず、重複チェックするオーディエンスを保存する必要があります。
重複チェックしたい広告セットの編集画面を表示し、設定項目「つながり」の下にある「このオーディエンスを保存」を選択。
「オーディエンス名」に任意の名前を入力して、保存を選択。
重複をチェックしたい全ての広告セットのオーディエンスを保存し終えたら、左上のメニューを開いて、「オーディエンス」を選択。
保存したオーディエンスの中で、重複チェックを実施するオーディエンスにチェックを入れて、「アクション」のプルダウンから「オーディエンスの重複を表示」を選択。
下図のように、重複している人数と重複率が表示されます。
重複した場合の対処法
重複は0%が望ましいですが、もし、重複してしまった場合、2つの対処法があります。
対処法1:ターゲット層を絞り込む
1つ目は、複数の広告セットで重複している部分を、どこかの広告セットに残し、他の広告セットのターゲット層を絞り込む対処法です。
対処法2:広告セットを統合する
2つ目は、広告セットを統合する対処法です。
広告セットを統合することで、ターゲット層だけでなく、分散していた予算も統合することになります。
広告セットと予算が分かれていたときよりも、1つにしたことでFacebookのシステムがデータを学習しやすくなり、最適化配信が促進される可能性もあります。
2-2.広告セットを細分化しすぎない
運用成果を上げるための手法2つ目は、広告セットを細分化しすぎないことです。
広告セットの「広告配信の最適化対象」を「コンバージョン」としている場合、広告セットを細かく分けすぎることは良くありません。
これは、コンバージョンデータが分散されてしまい、Facebookの最適化配信に影響を与えてしまうためです。
Facebookのシステムは、広告セット毎に統計的に有意な数のコンバージョンを分析することで、初めて最適化ができるようになっています。
広告セットを細かく分けることで、広告セット単位に蓄積されるデータ母数が少なくなってしまい、最適化配信に影響を与えてしまうケースもあるのです。
例えば、広告セットA、B、Cの3つがあり、それぞれ20件ずつのコンバージョンを獲得できていた場合よりも、Dという広告セット一つにまとめ、広告セットDで60件のコンバージョンを獲得できていた方が、効率よく最適化されます。
多くのコンバージョンデータをより早く蓄積して、Facebookの最適化配信システムを有効活用するためには、以下のアプローチをオススメします。
ステップ1:初期設定
――――
キャンペーンの目的:コンバージョン
広告セットの広告配信の最適化対象:コンバージョン
――――
まずは、コンバージョンの確率が高い人に広告が配信される設定で、コンバージョン獲得をめざします。
もし、この設定でコンバージョンが発生しなかった場合、以下のステップへ進みましょう。
ステップ2:広告配信の最適化対象を変更する
下表のように、広告セットで設定しているターゲット層に応じて、広告配信の最適化対象を変更します。
コンバージョンから、範囲を少し緩めるイメージでしょうか。
範囲を緩めることで、より多くのクリックが見込まれ、コンバージョン獲得の可能性が広がります。
ステップ3:コンバージョンが発生しない原因をチェックする
それでもコンバージョンが発生しなかった場合、最適化配信の他に原因があるのかもしれません。
例えば、以下の点に誤りがないかをチェックしてみましょう。
・ターゲット層の設定が適切か
・広告のランディングページは適切か
・Facebookピクセルを間違って設置していないか
・カスタムコンバージョン設定が間違っていないか
2-3.ターゲットに合わせた画像の選定
運用成果を上げるための手法3つ目は、ターゲットに合わせた画像の選定です。
皆さんは、自分のFacebookニュースフィードを見ていて、スクロールの手を止めるとき、何に目が留まるケースが多いでしょうか?
おそらく、画像に目が留まり、その後でテキストを読むのではないでしょうか。
テキストよりも画像の方が、ユーザーの目に止まりやすい。つまり、画像の第一印象で興味を抱いてもらうことが大切になってきます。
そのためにすべきことは何か?
答えはシンプルで、ターゲットに合わせた画像、ターゲットが興味を抱きそうな画像を選定することです。
例えば、とあるエステサロンのケースで考えてみましょう。
ターゲティング設定と画像の選定例
下記3つの広告セットを設定した場合を想定します。
――――――
(1)ターゲット:婚約中の20代・30代の女性
(2)ターゲット:独身30代で営業職の女性
(3)ターゲット:学生の女性
――――――
この3つに同じ画像を使用して、どのターゲット層でのコンバージョンが多いのか検証する、という配信を実施される方もいるかもしれません。
この場合、PDCAを回して徐々に成果を上げていければ良いのですが、PDCAのスピードを上げるためにも、以下のように広告セット毎に異なる画像とテキストも配信することをオススメします。
(1)婚約中の20代・30代の女性 の例
画像:ウエディングドレス姿の女性
テキスト:ブライダルエステで結婚式を最高の1日に。
(2)独身30代で営業職の女性 の例
画像:デスクにうつ伏せで寝ている女性
テキスト:毎日、仕事でぐったり。そんな自分へのご褒美エステ。
(3)学生の女性 の例
画像:海・砂浜で楽しんでいる女性複数名
テキスト:まだ間に合う!ビーチで輝くボディメイキング!
広告セット間の共通画像と、広告セット毎での異なる画像、この2種類の間でパフォーマンスに違いが出てくるはずです。
また、上記のケースでは、それぞれの広告毎に、画像とテキストで訴求している内容に適したランディングページを用意することで、さらに成果は向上します。
画像選定時の注意点
画像を選定する際は、画像内のテキスト量が多いほど、配信が制限されてしまう点に注意しましょう。
Facebookが公式に提供している画像テキストチェックツールを使用すると、広告のリーチが制限される可能性があるかどうかを確認できます。
2-4.カスタムオーディエンスの活用
運用成果を上げるための手法4つ目は、カスタムオーディエンスの活用です。
カスタムオーディエンスとは
顧客リストやウェブサイトの訪問履歴などを基にターゲティングができる機能です。
既に自社の顧客となっている、もしくは、過去に自社と接触したことがある見込み客をターゲティングできるので、非常に効率の良い広告配信ができます。
カスタムオーディエンスの使用方法
「カスタムオーディエンスリスト」というリストを作成し、そのオーディエンスリストに配信する、もしくは、配信除外する、という設定になります。
作成できるカスタムオーディエンスリストは、4種類です。
(1)カスタマーリスト(顧客リスト)
(2)エンゲージメントしたユーザー
(3)ウェブサイト訪問ユーザー
(4)モバイルアプリ利用ユーザー
カスタムオーディエンスについては、別記事で詳細を解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
成果を飛躍させる!Facebook広告カスタムオーディエンスの活用法と新規客獲得の秘策
ここでは、各カスタムオーディエンスリストの概要と活用シーンのみ紹介します。
(1)カスタマーリスト(顧客リスト)
カスタマーリストとは、既に自社で保有している顧客情報のことです。
顧客情報の一覧表(.txtまたは.csvファイル)を作成して、ビジネスマネージャにアップロードすると、顧客情報とFacebookユーザーが照合されて、一致したユーザーだけがカスタムオーディエンスリストに登録されます。
活用シーン例
・既存顧客に、さらにリピートしてほしい
・既存顧客には広告配信したくない
(2)エンゲージメントしたユーザー
エンゲージメントしたユーザーとは、FacebookまたはInstagramのコンテンツに対してアクションを起こしたユーザーを指します。
エンゲージメントには、動画の視聴やFacebookページへのいいね!などが含まれます。
活用シーン例
・動画を95%再生したユーザーに、続編となる動画を配信する
・リード獲得広告でフォームを開いたが、送信しなかった人に対して、入力項目を減らしたフォームを配信する
(3)ウェブサイト訪問ユーザー
ウェブサイト訪問ユーザーとは、Facebookピクセルを設置したウェブサイトに訪問したユーザーを指します。
Facebookピクセルとは、ウェブサイトへの訪問履歴や行動をトラッキングするためのJavaScriptコードです。
ウェブサイトに訪問したユーザーをカスタムオーディエンスリストにすることで、ウェブサイトに訪問した履歴のあるユーザーに対して、広告配信する、もしくは、広告配信から除外する仕組みです。
なお、ウェブサイト訪問ユーザーを使用する際には、Facebookピクセルの設置が必須となります。
活用シーン例
・特定の商品ページを閲覧したユーザーにだけ、広告配信したい
・資料請求をしてくれたユーザーには広告配信したくない
・商品Aと商品Bの両方のページを閲覧したユーザーに広告配信したい
(4)モバイルアプリ利用ユーザー
モバイルアプリ利用ユーザーとは、アプリやゲームを利用した人や、アプリ内で特定のアクションを起こしたユーザーを指します。
活用シーン例
・過去90日間の利用履歴がない人に、アプリのイベントを告知して利用を促す
・アプリのカートに商品を入れたが、購入しなかった人にキャンペーンを告知する
この設定には、アプリ開発の知識も必要となるため、下記のページを参照しながらアプリ開発者に協力を仰ぎましょう。
2-5.類似オーディエンスの活用
運用成果を上げるための手法の最後は、類似オーディエンスの活用です。
類似オーディエンスとは
カスタムオーディエンスリストに含まれるユーザーと、年齢・性別や興味・関心など共通の特徴を持った別のユーザーをターゲティングできる機能です。
カスタムオーディエンスと類似オーディエンスの比較
カスタムオーディエンスとは、下表のように活用目的が異なります。
特に、既存顧客や、コンバージョンしたことがあるユーザーの類似オーディエンスは、自社の商品・サービスに関心を持ってくれる可能性が高いので、新規の見込み客へのリーチを広げる手段として活用をオススメします。
別記事で、「類似オーディエンスで、さらに成果を向上させるポイント」を紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
成果を飛躍させる!Facebook広告カスタムオーディエンスの活用法と新規客獲得の秘策
【Facebook広告運用】改善のコツ・成功のポイント! アカウント分析もこちらから!
3.ケース別の改善施策例
Facebook広告を運用し始めると、成果・パフォーマンスが思わしくない状況に陥ったとき、どのような視点で改善していくのか、ケース別の施策例を紹介していきます。
前述の運用成果を上げる手法を思い出しながら、読み進めていきましょう。
3-1.リーチが少ない(広告配信量が少ない)
リーチが少ない場合、要因と対処法を4つ紹介します。
ターゲティングを絞り過ぎていないか
まず、広告セットで設定しているターゲットが狭すぎないかチェックしましょう。
オーディエンス設定画面で、「ターゲット層が狭すぎます。ターゲット層を広げてください。」というメッセージが表示されていないでしょうか。
もし、表示されていた場合は、ターゲットの設定を広げることを検討してください。
ターゲット層が重複していないか
ターゲット層の重複により、広告表示機会を損失している可能性があります。
前述した「2-1.広告セット間でターゲット層は重複させない」を参照してください。
関連度スコアが低くなっていないか
関連度スコアが低いことで、オークションで他社の広告に負けてしまい、リーチが伸びないケースがあります。
この場合、後述する「3-2.関連度スコアが低い」を参照してください。
最大入札価格を設定している場合、入札価格が低すぎないか
最大入札価格(手動入札)で運用している場合、配信量が少なくなってしまうことがあります。
それは、最大入札価格が低いことによって、他社とのオークションに負けてしまい、広告表示機会を失ってしまうケースです。
この場合、最大入札価格の引き上げを検討しましょう。
3-2.関連度スコアが低い
「関連度スコア」とは、広告単位で計算される1~10のスコアのことを指します。
広告が約500インプレッションを獲得すると、広告マネージャで確認できます。
このスコアが10に近いほど、ターゲットに対して広告表示される可能性が高くなり、且つ、少ない費用でより多くのターゲットにリーチできるようになります。
関連度スコアが高ければ、必ず、コンバージョンやいいね!獲得などの目的を達成できるわけではありませんが、少ない費用で多くのリーチを獲得する上では重要なデータです。
一概には言えませんが、弊社では関連度スコア6以下で黄色信号だと考えています。
関連度スコアが低い場合、以下の手順でチェックと改善を試みましょう。
改善箇所の特定
最初に、関連度スコアが低い原因を特定します。
広告セットの全ての広告で関連度スコアが低い場合
例えば、年齢・性別・地域しか設定していない場合、関連性の低いユーザーにも広告が表示されてしまう可能性が高くなります。
この場合、利用者層、趣味・関心など、もう少しターゲットを絞ることで、関連性の高いユーザー層に配信できるように調整しましょう。
広告セットの特定の広告だけ関連度スコアが低い場合
この場合、以下の視点で対応していきましょう。
関連度スコアが低い広告と、その他の広告との違いをチェック
関連度スコアが低くない広告に共通点が見つかれば、それを関連度スコアが低い広告に適用します。
テキストよりも画像や動画を優先して改善する
「2-3.ターゲットに合わせた画像の選定」で記載した通り、テキストよりも画像や動画の方が、ユーザーの目に止まりやすいです。
施策を実施する上での影響度(インパクト)を考えると、まず先にテキストよりも画像や動画の変更を優先した方が良いでしょう。
新しい広告を作成する(広告の鮮度を保つ)
同じ広告が同じユーザーに配信されて続けてしまい、ユーザーが広告を非表示にした場合、関連度スコアが下がってしまいます。
フリークエンシーの数値が上がってきたら、新しい広告の作成をオススメします。
3-3.結果レートが低い
結果レートが低い場合、結果が良いモノをさらに伸ばし、結果が悪いモノを改善していくのが一般的です。
トラフィックの「結果」、リード獲得広告の「結果」、コンバージョンの「結果」など、キャンペーンの目的それぞれに応じて「結果」は異なりますが、ここでは、どのキャンペーンの目的と「結果」に対しても、共通で使えるパフォーマンス改善の視点を紹介します。
最初に広告セットレベル、次に広告レベルでチェックしていく考え方です。
広告セットレベル
広告セットレベルでは、以下のステップで改善を試みよう。
ステップ1:広告セットのターゲティング設定が間違っていないか、念のため確認する
例えば、配信地域が間違っていた、除外しなければいけないターゲットを除外し忘れていた、他の広告セットとターゲティングが重複していたなど、設定ミスがパフォーマンスに影響を与えていたかもしれないので、設定を再確認しておきましょう。
ステップ2:内訳の「年齢と性別」、「地域」、「配置」において、パフォーマンスが良い区分と悪い区分を確認
内訳では複数の切り口でデータを分割表示できます。
その中でも、「年齢と性別」、「地域」、「配置」の3種類は、確認することをオススメします。
この時点で、内訳の区分で違いが見られない場合、「広告レベル」のチェックに進んでください。
ステップ3:新しい広告セットを作成して、そこにパフォーマンスが悪い区分を設定する
パフォーマンスが良い区分を、元の広告セットに残すということになります。
ステップ4:パフォーマンスが良い区分の広告セットの日予算を増やす
効率の良い区分に、より多くの日予算を配分し、結果数の増加を狙います。
ステップ5:パフォーマンスが悪い区分の広告セットに対して、次の確認と施策の検討
新しい広告セットに抜き出す前のデータで、パフォーマンスが悪いと判断するだけのインプレッション数(データ量)が蓄積されていたか、確認しましょう。
例えば、パフォーマンスが良い区分で日予算をほとんど消化していた場合、パフォーマンスが悪いと思い込んでいる区分のインプレッション数自体が少なすぎたケースもあり得ます。
新しい広告セットに移動したことで、パフォーマンスが悪いと思い込んでいた区分で日予算が使えるようになり、インプレッションも発生し始めて、結果を獲得していく可能性もあります。
したがって、パフォーマンスが良い区分と同等のインプレッション数になるまで広告配信を継続して、効果を検証してみましょう。
インプレッション数が十分にあった場合、広告セット内の広告を見直します。
特に、内訳の「年齢と性別」でパフォーマンスが良い年齢・性別と、パフォーマンスが悪い年齢・性別の違いが生じていた場合、パフォーマンスが悪い年齢・性別に対して、いまの広告が魅力的ではない可能性が高いです。
したがって、パフォーマンスが悪かった年齢・性別に対して、画像やテキストを全く異なるものに変えた広告を作成して、検証してみましょう。
広告レベル
特定の広告のパフォーマンスが悪いのか、すべての広告のパフォーマンスが悪いのかによって、改善施策が異なります。
この場合、パフォーマンスが良い広告を参考にして、新しい広告を作成します。
そして、パフォーマンスが悪い広告は停止しましょう。
この場合、広告セットのターゲット設定と広告の組み合わせでは、望む結果が得られない、と考えるのが妥当です。
したがって、ターゲティングに対して、広告で発信しているメッセージが適切かどうかを、再検討することから始めましょう。
年齢・性別や興味・関心などを踏まえた広告になっていますでしょうか。
また、広告フォーマットの種類を変えてみるのも一つの手です。
例えば、写真広告・画像広告だけだった場合、スライドショー広告や動画広告といった動きのある広告で興味を抱かせることに挑戦してみましょう。
4.Facebook広告でやってしまいがちな成果を下げること
最後に、Facebook広告でやってしまいがちな、運用成果を下げてしまうことの例を紹介します。
4-1.売り込み!を感じさせる広告
Facebook広告では、「この商品はこんなに素晴らしいんです」「当社のサービスで課題が解決できます」など、いきなり売り込みを感じさせる広告は避けましょう。
皆さんは、FacebookやInstagramを、自分が投稿する以外のとき、どういった目的で閲覧していますか?
下図の資料にある通り、何かのスキマ時間に何となく閲覧しているケースが多いのではないでしょうか。
引用:Facebook Media Guide
Facebook広告メディアガイド 2017年上期(1-6月版)
「友達の近況を見る」「何か面白いものがないかと漠然とニュースフィードを見る」というようなユーザーが多いはずです。
一方、GoogleやYahoo!といった検索エンジンでは、ユーザーが「何かを買いたい」「どこかへ行きたい」「この問題を解決したい」などの明確な顕在ニーズを持って検索しています。
これらの検索ユーザーに対しては、「この商品はこんなに素晴らしいんです」「当社のサービスで課題が解決できます」などの強調したメッセージを発信することで成果が得られます。それがリスティング広告(検索連動型広告)と呼ばれる広告です。
「友達の近況を見る」「何か面白いものがないかと漠然とニュースフィードを見る」ユーザーに対して、リスティング広告と同じメッセージを発信しても、ユーザーには「いま、そんなメッセージは望んでいない」と受け取られてしまうのです。
Facebook広告では、興味や期待をそそる広告をオススメします。
いつか顧客になってくれる可能性のあるユーザーに対して、まずは「ちょっと気になるな。詳細をみてみよう」と思わせ、ユーザーに自社と接してもらうことが大切です。
4-2.広告とランディングページの不一致
やってしまいがちな成果を下げることの2点目は、広告とランディングページの不一致です。
Facebook広告だけではなく、他の広告でもいえることですが、広告でのメッセージとランディングページのメッセージが一致していない場合、広告の効果は薄れてしまいます。
特に、「4-1.売り込み!を感じさせる広告」で記載した通り、Facebook広告自体の売り込み感を無くした際には注意しましょう。
売り込み感を無くして興味や期待をそそる広告へ変更したのに、クリック後、表示されたページが商品・サービスの売り込みばかりのメッセージになっていたら、どうでしょうか。
結局、ランディングページが売り込みを強く感じさせるコンテンツになっていては、広告の効果は薄れてしまいます。
4-3.ターゲティングや配信の設定ミス
やってしまいがちな成果を下げることの3点目は、ターゲティングや配信の設定ミスです。
広告の運用成果を上げる施策を実施しても、そもそもの設定が間違っていては意味がありません。
例えば、以下のようなケースです。
ターゲット設定で、除外するはずのターゲットを、間違って配信対象に設定してしまっていた
除外設定は、広告セットの「詳細ターゲット設定」内で「除外条件」をクリックして設定するので、間違えないようにしましょう。
ターゲットをand条件で絞り込むはずが、間違ってor条件で配信設定してしまっていた
これは、and条件(A且つB)で設定をするはずが、間違ってor条件(AまたはB)と設定してしまうケースです。
間違った設定
フィットネスまたはゴルフのどちらかに興味があるユーザーに広告配信
正しい設定(本来の意図)
フィットネスとゴルフの両方に興味があるユーザーにだけ広告配信したい
and条件で設定するときは、「オーディエンスの絞り込み」を選択する必要があるので、注意しましょう。
目的を達成してくれたユーザーに対して広告配信し続けている
これは例えば、コンバージョンしたユーザー、リード獲得広告でフォーム送信したユーザー、ページに「いいね!」をしてくれた、などのキャンペーンの目的を達成してくれたユーザーに、同じ広告を配信し続けてしまっているケースです。
これらのユーザーに対して、同じ広告、つまりキャンペーンの目的達成を狙った広告を配信し続けても意味がありません。
これらのユーザーは除外設定をしておきましょう。
Facebookピクセルが正しく設置できていない
これは、カスタムオーディエンスで使用するFacebookピクセルが正しく設置されていないために、正しくターゲティングできていなかった、というケースです。
発行したFacebookピクセルが正常に動作しているか否かを確認するためには、Facebook Pixel Helper(ピクセルヘルパー)を活用しましょう。
Facebook Pixel Helperは、Facebookピクセルが動作しているか確認できるChromeの拡張機能です。
ピクセルが正常に機能している場合は、下図のように検出されます。
Facebook Pixel Helperは、以下の手順で使用できるようになります。
Chromeウェブストアにアクセス。
左上の「ストアを検索」に、「Facebook Pixel Helper」と入力して検索。
「CHROMEに追加」をクリック。
「拡張機能を追加」をクリック。
以上でChromeへの追加は完了です。
もし、エラーが表示された場合は、Facebook公式ペルプページのトラブルシューティング事例を参照してください。
いかがでしたでしょうか。
Facebook広告は、詳細なターゲティング設定や広告フォーマットの豊富さが特徴な反面、設定手法やレポートデータの種類も多く、運用に抵抗を感じる方もいるでしょう。
本記事で紹介した手法が、運用の一助となれば幸いです。